田中クリニック院内報

はじめに
みなさん、こんにちは、院長の田中です。
今年の夏も暑かったですが、体調をくずされませんでしたか?夜が寝苦しく、クーラーをつけっぱなしで風邪をひいて受診された方もいました。夜に眠れないことは誰しも経験することです。単純に寝床が変わって眠れないものから、病気に伴って眠れなかったり、いろんなことが考えられます。睡眠薬もなるべくなら内服せずに眠れるようにしたいものです。
十分な睡眠がとれないと、仕事や学業にも支障がでますし、健康への影響もでます。今回は睡眠について考えてみました。
特集:この病気は何ですか?
 
第 7 回 【 睡眠障害(不眠症) 】

1. 睡眠障害の原因について
1) ストレス:仕事や家庭におけるトラブル、人間関係、重大な病気など
2) 精神疾患による不眠:うつ、不安、アルコール依存
3) 環境や生活リズムの変化:旅行、睡眠を妨げる環境、不規則な生活習慣など
4) 薬や嗜好品の影響:カフェイン(コーヒーなど)、タバコ、薬剤
5) 身体疾患に付随:発熱、疼痛、かゆみなど

2. 睡眠障害にはどんなタイプがありますか?
1) 入眠困難:寝つけないタイプで、不安や緊張が強い時、神経質で睡眠へのこだわりが強い場合など
2) 中途覚醒:途中で覚醒し、その後不眠となるタイプ。身体疾患(頻尿、疼痛、痒み、睡眠時無呼吸症候群、ミオクローヌス症候群)、精神疾患(うつなど)、ストレス、環境の変化、アルコール摂取、加齢など
3) 早朝覚醒:普段より早く目が覚めてしまい、その後不眠となるタイプ。うつや加齢、体質などによる
4) 熟眠障害:眠りが浅くて、睡眠時間のわりに熟睡した感じがないタイプ。うつや加齢による

3. 不眠によってどのような悪影響がでますか?
不眠は健康に大きな影響を及ぼします。不眠によって老化が促進され、高血圧や糖尿病などの慢性的な生活習慣病が悪化する可能性もあるという報告があります。
例えば一晩の徹夜だけでも、健康な人は、血圧が上昇します。また、一晩の徹夜は精神作業能力にも影響を与え、ビールを1本飲んだときの酩酊と差がありません。

4. 睡眠薬の種類とその使い分けについて
不眠の原因を取り除き、生活習慣や睡眠環境の改善をしても充分な効果が得られないときに、睡眠薬による治療が行われます。
不眠には前述の4タイプがありますが、薬剤もそのタイプによって、作用時間による使い分けがなされています。超短時間型、短時間型、中間型、長時間型の4種類があります。

5. 睡眠薬の副作用とその対処について
・寝起きの悪さや日中のぼんやり感、倦怠感(睡眠薬の効果が残っていることによる)→作用時間の短い睡眠薬に変更します
・ふらつきや脱力感(睡眠薬のもつ筋弛緩作用による)→筋弛緩作用の弱い睡眠薬に変更

6. 睡眠薬服用上の注意点
・服用したら速やかに(30分以内)に床に入ること。
・眠れないからといって勝手に量を増やさないこと。
・常用していて急に中止すると、副作用があらわれることがあります。医師の指導のもとで徐々に減らしていきましょう。
・アルコールと一緒に服用すると副作用が現れやすくなるので、してはいけません。

7. 睡眠障害の対処12の指針(睡眠障害の対応と治療ガイドラインより)
1) 睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
  8時間にこだわる必要なし、個々に適した睡眠時間でよい

2) 刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
  ・就床前4時間のカフェイン 摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
  ・軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング

3) 眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
  眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする

4) 同じ時刻に毎日起床
  ・早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
  ・日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる

5) 光の利用でよい睡眠
  ・目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン
  ・夜は明るすぎない照明を

6) 規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
  ・朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く
  ・運動習慣は熟睡を促進

7) 昼寝をするなら、15時前の20〜30分
  ・長い昼寝はかえってぼんやりのもと
  ・夕方以降の午睡は夜の睡眠に悪影響

8) 眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
  ・寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る

9) 睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
  ・背景に睡眠の病気、専門治療が必要

10) 十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医を受診

11) 睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
  ・睡眠薬代わりの寝酒は深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる

12) 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全

8. いびきがすごく、熟睡感がないうえに日中眠いのですが・・・?
いびきは、空気の通り道となる上気道が狭まることで起こります。いびきで最も注意しなければならないのは、睡眠時無呼吸症候群です。これは無呼吸時には脳への酸素供給が少なくなって疲労回復せず、昼間に猛烈な睡魔が襲って仕事や生活に悪影響をおよぼします。

9. 市販薬の睡眠補助剤は医師が処方する睡眠剤とどう違う?
市販薬の睡眠補助剤は、抗ヒスタミン作用という眠気を誘発する成分によって効果が得られるのですが、これは風邪薬で眠くなる成分と同じです。ですから風邪薬で眠気がくる人には効くでしょうが、あまり効いたという話を聞きません。あくまでも補助的な薬です。

 

 

●さいごに...●

「どうしても眠れない時、何科で相談すればいいの?」
精神科か心療内科で相談されるのがよいでしょう。
不眠の原因にはうつや不安が原因のことがありますし、
薬物療法に関しても専門ですから、原因や病状にあった
処方をしてくれると思われます。

 

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