田中クリニック院内報

はじめに
みなさん、明けましておめでとうございます。平成18年になりましたが、お正月をいかが過ごされましたでしょうか?クリニックでは1月1日に急患を診察し、この冬第一例目のインフルエンザでした。これから流行しますので、手洗いやうがい、マスクなどで予防しましょう。
今回の院内報は病気の解説シリーズをお休みして、クリニックにおける在宅医療の現状について紹介することにしました。寝たきり老人の方などの訪問診療を行なっておりますので、参考にして頂ければ幸いです。
 
当院の在宅医療について

1. どのような疾患が在宅医療の対象となりますか?
基礎疾患にかかわらず、通院が困難で、ねたきり状態またはそれに近い方なら対象となります。多いのは高齢者であり、脳血管障害、下肢の骨折後、呼吸不全、癌の終末期、加齢による衰弱などです。

2. 田中クリニックの訪問診療について
寝たきりの患者さんのお宅へ計画的に訪問診療することは保険適応となっております。
当クリニックでは午前と午後診察の間の時間(大体14時頃)に診療しています。クリニックから往復時間と診察時間を含めて90分以内の距離なら訪問は可能ですので、遠方の方はご相談ください。依頼があれば予定日以外にも往診しています。

3. 診療時間外の対応について
クリニック診療時間外の対応は、携帯電話に転送されますので、クリニックへお電話ください。病状によって、往診や病院への紹介など判断いたします。病状によってはあらかじめ急に病状が悪化した場合にどうするかをご相談させていただいております。

4. 食事量が少ないまたはとれない場合の対処
1)経口摂取がまだできるようであれば、栄養剤のドリンクを処方しております。
2)水分摂取も少ない状態では脱水になりますので、点滴が必要です。(後述)
3)鼻からチューブを胃に留置して栄養を入れる方法
4)おなかの表面から胃にチューブを挿入留置して栄養を入れる方法(胃ろうと言います)
一名実施しておりますが、入れ替えなどの管理は他院にお願いしており、協力がないとできません。

5. 在宅での点滴について
四肢末梢の静脈にする場合と、体の中心部へする中心静脈栄養があります。
1 末梢点滴:栄養としては高いカロリーを入れることはできません。通常外来でする点滴と同じです。
2 中心静脈栄養:高いカロリーの栄養を太い血管に入れることが可能です。これには病院でカテーテルを留置してもらい、在宅に移行してからの継続という形になります。
末梢・中心ラインともに持続で行なう場合は家族の協力が必要です。直接針を刺したりする行為はありませんが、よく理解して頂かないとトラブルが生じております。クリニックだけでは対応できないので、訪問看護婦さんの協力を得て継続的に実施することも可能です。

6. 呼吸が苦しくなって酸素吸入が必要になった時の対応
低酸素状態で、酸素吸入が必要になったら、自宅に酸素濃縮器という器械を設置して、酸素吸入が可能です。酸素業者は24時間対応しておりますし、保険適応になっています。

7. 癌終末期の在宅医療について
肺癌症例を中心に在宅医療の経験があります。一番の問題は苦痛特に疼痛の緩和です。麻薬などを用いて緩和医療を行ないます。在宅での看取りも可能です。

8. 床ずれの処置について
寝たきりになると起こりやすい床ずれは、栄養状態が悪い場合や、体位変換が難しい場合は改善させるのが困難です。被覆剤や軟膏による処置を行なっています。外科的処置が必要な時は往診にて外科の先生の協力をお願いしております。

9. 在宅医療のめざす目標とは?
患者さんが少しでも苦痛がなく、精神的にも安定して生活できることを目標にしています。
残っている生命力を最大限に引き出し、可能な限りできる範囲で日常生活動作に関して自立させることができればと思います。そのために訪問看護を積極的に導入しています。
当院にはそのスタッフがいないため、ステーションに依頼しております。短い訪問診療では患者さんの情報が十分得られないため、ステーションの協力で生活の質を向上させていくことが可能です。
また寝たきりの患者さんは意欲の低下がみられますので、なにか楽しみなどが見出せたらよいのにと常日頃から感じています。以前に楽しめたことがまた楽しめることが一番なのですが難しいのが現状です。それでも可能性をさぐりながら診療をすすめています。

 

 

●さいごに...●

まだ在宅診療の経験も浅く、行き届かないところが
あるかもしれませんが、関係スタッフの協力を得な
がら努力していく所存ですので、よろしくお願い致
します。

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