田中クリニック院内報

はじめに
みなさん、こんにちは、院長の田中です。インフルエンザの流行も下火となり、日中は暖かく感じられる日もありますが、まだ油断はできません。去年は3月からインフルエンザがはやりましたので、引き続き気をつけてください。
さて今回は慢性生活習慣病の中でも頻度が多い高脂血症を取り上げます。ぜいたく病とも言われますが、生活習慣を是正しても良くならず、お薬のお世話になる人も少なくありません。症状が無いからと言ってそのままにしては後がこわいですよ。ちょっとお勉強してみましょう。
特集:この病気は何ですか?
 
第 9 回 【 高脂血症 】

1. 脂肪の種類とその役割について
脂肪にはコレステロールと中性脂肪などがあります。脂肪は身体の代謝過程における主な燃料源として重要であり、蓄えられた脂肪は寒さや外傷から守る役割を担っています。
コレステロールは俗に悪玉と呼ばれるLDLコレステロールと善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールの2種類に分けられます。
悪玉は動脈硬化を促進し、善玉は逆に動脈硬化を妨げる働きがあります。

2. コレステロールが高くなるとどうなりますか?
血液中のコレステロール値が高い状態が長く続くと、血管の内側に余分なコレステロールが侵入し、血管を硬くし、血管の中を狭くしていきます。これを動脈硬化といいます。
動脈硬化は脳梗塞あるいは狭心症や心筋梗塞をひき起こす可能性があります。

3. 高脂血症の原因は?
遺伝的な体質や肥満、食べ過ぎ、運動不足、長期の飲酒などが原因となります。

4. 中性脂肪は脂肪分を多く摂取するとよくないのですか?
脂肪という言葉がついているので、脂肪分をとりすぎることがいけないと思われがちですが、中性脂肪を作るのは糖分です。特に糖質の中でも砂糖、果物、ハチミツなどに含まれる果糖やショ糖を控えましょう。
中性脂肪は血管壁に沈着したり、皮下脂肪としてたまり、動脈硬化や肥満につながります。甘いものは油断大敵です。

5. コレステロールが高くなる病気がありますか?
高コレステロール血症は食事だけが原因ではありません。甲状腺機能低下症(身体の代謝が悪くなる病気)、ネフローゼ症候群(尿に大量の蛋白が出る腎臓の病気)といった病気に伴って認められます。
その他に遺伝として家族性高コレステロール血症があります。

6. 女性は更年期になるとコレステロールが高くなるのですか?
女性は45歳頃をすぎると女性ホルモンの分泌量が除々に低下するため、コレステロールが高くなります。従って食事や運動で頑張ってもなかなか下がらないということがあり、薬物療法となるケースも少なくはありません。

7. 高脂血症と診断されましたが、すぐに薬を内服するのですか?
まずは食事療法と運動療法を開始して、2ないし3ヶ月は経過をみて、改善が十分でなければ薬物療法を導入します。ただし、糖尿病や高血圧、心筋梗塞や脳卒中を起こした方はその数値によっては、早期に下げる必要がありますので、医師の判断によると思います。

8. コレステロール値は正常になるまで下げる必要があるのですか?
コレステロールは生体に重要な働きをしており、下げすぎるのもよくありませんが、動脈硬化が関係する合併症のある方は、正常(220mg以下)に保つ必要があります。私のところでは肥満がなくコレステロールだけが高い人は280mgまでは食事や運動で頑張ってもらっています。

9. コレステロールを下げる薬の副作用について
現在よく処方されている薬はHMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)です。副作用として肝障害や胃腸障害がありますが、程度は軽く回復可能のものです。ごくまれに横紋筋融解症という骨格筋の破壊により筋肉の成分が血液中に流れ出し、腎臓に障害が出現します。
投与開始時には「筋肉痛や尿の色が赤褐色になれば、内服を中止して連絡するように」と伝えています。

10. コレステロールが高い人の食事で気をつけること
一日にコレステロール摂取量を300mg以下にしてください。卵一個にコレステロールは250mg含まれており、卵の摂取は控えたいものです。ほかには肉類の脂身は取りすぎないこと。いか、たこ、えびにも多く含まれているのですが、通常の摂取では問題が無いと言われています。食物繊維がコレステロールを減らす働きがあるので、しっかりと摂取しましょう。

11. 運動はどのようにすれば効果的ですか?
運動することで体内の余分な脂肪を燃やすことができます。
運動のやり方として歩行などの有酸素運動がいいです。少し汗ばむ程度のやや早足で、時間は60分位、食事の1ないし2時間後が効果的です。腰や膝などに痛みがある人は水中ウォーキングがいいでしょう。

 

 

●さいごに...●

高脂血症は検診で診断されることが多いのですが、
自覚症状がなく、放置されがちです。しかし動脈
硬化が進むと心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高
まりますので、定期的なチェックをしたほうが良
いでしょう。
クリニックでは看護師が栄養相談や運動療法の指
導を行なっていますのでご利用ください。

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