内科・呼吸器科:田中クリニック 集中治療室
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  集中治療室  
今月の医療特集
●10月の特集は『肺炎球菌ワクチン』です。
もうすぐインフルエンザワクチンの接種時期となりましたが、最近もうひとつのワクチンが注目されています。それは肺炎球菌ワクチンです。まだ医師の間でも十分認識されていなかったのですが、テレビで取り上げられたりしてから関心がもたれるようになりました。高齢者で基礎疾患を有している方は接種をお勧めします。この特集で認識を高めていただければ幸いです。

1. 肺炎球菌とは?
日本では死因の第四位が肺炎であり、その原因菌として最も多いのが、肺炎球菌です。特に肺炎は高齢者に多く、治療が遅れると命取りになります。肺炎球菌が引き起こす病気は肺炎のほかに気管支炎、副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎などがあります。昔からペニシリンという抗生物質が有効なのですが、最近は利きにくい肺炎球菌が増えております。

 
2. 肺炎球菌ワクチンとはどんなワクチンですか?
肺炎球菌によって引き起こされる感染症を予防するためのワクチンです。肺炎に限れば、ほかにも原因となる細菌やウイルスがありますので、このワクチンで肺炎すべての予防ができるわけではありません。肺炎球菌ワクチンを接種しておけば、感染する機会の多い約8割の型に対して免疫をつけることができます。

 
3. 肺炎球菌ワクチンの効果はどれくらい持続しますか?
抗体価は接種後1ヶ月で最高値となり、その後4年間はほとんど低下しません。5年後にはピーク時の80%にまで抗体価が低下します。アメリカでは5年後の再接種が可能ですが、日本ではまだ安全性が確立されていないという理由でできませんが、将来可能になると想定されます。

 
4. 副反応について
インフルエンザワクチンと大きな差はありません。安全性は高く、重篤な副反応はきわめてまれです。注射部位のかゆみ、腫れや痛み、時に微熱がみられることがありますが、日常生活に差し支えるほどのものではありませんし、1ないし2日間でおさまります。

 
5. 接種したほうがよい人とは?
高齢者とくに65歳以上の方、慢性呼吸器疾患や心臓病、腎不全や肝機能障害のある方、糖尿病や血液疾患などです。これらの人は肺炎にかかりやすく、重篤になりやすいことからワクチン接種が望ましいと思われます。また脾臓を摘出された方は免疫能が低下しているため健康保険適応になっております。

 
6. 肺炎球菌ワクチンはいつ接種すればよいのですか?
ほかの予防接種とは1週間以上あける必要がありますが、年中いつでもかまいません。

 
7. 費用はどれくらいかかりますか?
保険が利くのは脾臓摘出を受けた患者さんのみです。それ以外では自費となり費用は6000円から9000円くらいです。当院での費用についてはお問い合わせください。

 
8. 肺炎球菌ワクチンはどれくらい効果がありますか?
有効率は約60〜80%で、その効果は人によって異なりますが、約5年間継続すると言われています。海外データによると、喘息などの慢性肺疾患を持つ高齢者に、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの両方を接種することにより、入院を63%、死亡を81%減少させたとの報告があります。

 
最後に...
高齢者の肺炎では、急速に進行すると、抗生物質などの治療が間に合わないことも少なくありません。このため、事前に予防することの重要性が見直されてきています。流行性感冒の予防に
インフルエンザワクチンが接種されるように、肺炎球菌による肺炎の予防に肺炎球菌ワクチンが有効と考えられます。当院ではいつでも接種できますので、ご相談ください。
 
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