内科・呼吸器科:田中クリニック 集中治療室
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  集中治療室  
今月の医療特集
●8月の特集は『在宅酸素療法』です。
町で酸素ボンベを引いている人をみかけたことがありませんか?今では日本で約12万人の患者さんが、在宅で酸素吸入をしています。昔健康保険の適応がなかった時代は、酸素吸入は病院でしかできませんでしたから、入院を余儀なくされていたのですが、いまでは酸素を吸入しながらいきいきと生活することもできるのです。慢性の呼吸器疾患、特に肺気腫の患者さんは将来酸素吸入が必要となるかもしれません。すでに在宅酸素療法を受けている方、または息苦しい症状があり、どうしたらいいのかと思ってる方のためにも、今月の特集で理解を深めていただければと思います。

1. 在宅酸素療法の適応となる疾患は?
在宅酸素療法の適応基準が設けてありますので、基準を満たせば疾患にかかわらず、導入することができます。一番多いのは、慢性閉塞性肺疾患とくに肺気腫です。結核後遺症、間質性肺炎、心疾患などの患者さんがこの治療を受けておられます。

 
2. 在宅酸素療法でどのような効果が期待できるのですか?
酸素吸入を始めるようになってしまえば、もうおしまいだと悲観的になってしまう方もいますが、酸素吸入をしながら生活することで、生命予後の延長が期待できます。病院で酸素を吸いながら入院生活を続けるより、行動範囲が広く家族とともに生活ができ、 精神的にも安定が得られます。また心臓に対する負担も軽くなるという効果が証明されています。

 
3. 酸素を長期間吸入して、害はありませんか?くせになりませんか?
酸素を長期間吸入することで、害になることはありません。また病状がよくなれば、流量を減らしたり、中止できる症例もあり、いったん酸素吸入を始めるとやめれないということはありません。

 
4. 酸素の吸入量はどのようにして決めるのですか?
安静時、運動時、睡眠時で酸素をどの程度必要とするのかを決める必要があります。実際に酸素吸入をしてもらい、動脈血の酸素量を指につける装置(パルスオキシメーター)で簡単に測定できますので、その値を参考に決めることが一般です。

 
5. 保険適応ですが、一ヶ月の負担額はどれくらいですか?
月々の基本料金は保険外で25,000円、酸素濃縮器使用で46,200円、携帯用ボンベで8,800円となり、それに自己負担割合をかければ負担額が算出できます。通常濃縮器と携帯ボンベを使用すると、1割負担で8,000円、3割負担で24,000円です。

 
6. 在宅酸素に必要な装置やボンベについて
自宅には酸素濃縮器を設置します。これは大気中の空気を取り込んで、酸素だけを供給しようとする装置で、電源さえあれば酸素を絶えず吸入できます。外出時は移動用ボンベを使用しますが、無くなる前に業者に交換してもらいましょう。保険適応で交換は何本でもできます。

 
7. 停電したり、器械が故障したときは?
停電しても内蔵バッテリーがあるので、すぐにはとまりませんが、移動ボンベに切り換えて病院へ行きましょう。故障時は業者に連絡(通常24時間対応)のうえ、ボンベに切り換えて指示に従ってください。

 
8. 呼吸困難がひどくなったら、酸素流量をあげてもよいでしょうか?
また病状が悪くなったときどうしたらよいでしょうか?
勝手に酸素流量をあげてはいけません。病状によっては高流量の酸素を吸入することで、動脈血の二酸化炭素が増えて、意識状態が悪くなる場合があります。あらかじめ主治医の先生に対処法を聞いてください。また在宅酸素療法処方医は患者の病状の変化に24時間対応するように決まっております。連絡の上指示に従ってください。

 
9. 泊りがけの旅行はできますか?交通機関へのボンベの持込はどうですか?
主治医の先生に許可をもらって下さい。その後酸素業者が、旅行先に酸素ボンベや濃縮器の手配をします。過疎地でなければ全国手配できます。交通機関利用に際しては、航空機の場合許可がいります。その他は原則許可を必要としませんが、旅行会社を通じて話してもらったり、連絡しておいたほうがいいでしょう。

 
最後に...
在宅で酸素を吸うようになったからといって悲観的になることはありません。酸素吸入しながら、仕事をしたり、旅行をしたりして、いきいきと活動している人はたくさんいます。上手に付き合えばよいのです。当院では在宅酸素療法、在宅人工呼吸療法を行っております。ご質問・ご相談があれば何なりとお聞かせください。
 
 

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