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内科・呼吸器科:田中クリニック 集中治療室 |
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| ●9月の特集は『がん休眠療法』です。 |
がんと診断された時、手術できなければもう命はないと考える方も多いと思います。手術で完全に根治が望めない場合や再発の場合は、放射線治療や抗がん剤治療によって、延命をはかる治療が行われるのが通常です。しかし可能であればこれらの治療によって、腫瘍を消滅させたり、かなり縮小させることを期待するわけですが、副作用という代償がついてきます。以前に比べて副作用対策は随分進歩がみられますが、患者さんにとっては苦痛の強い症状にはちがいありません。今回は根治不可能な症例に対して、がんと上手に付き合っていくという治療法について、がん休眠療法を紹介します。
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| 1. がん治療の目標をどうするか? |
できることならがんを完全に消滅させたい、できるだけ小さくしたいという希望は誰にでもあります。我々医療者側もがんの縮小を目標に治療を行ってきました。
しかしその目標を達成するためには、強力な治療が必要であり、副作用も強くなります。副作用のために命を落としたり、社会生活が営めないなどの不利益が治療効果を上回ることがあります。がんを縮小させてもまた大きくなってきて、治療の繰り返しを行いながら、延命を図ることになるのです。残された余命を治療のために病院で過ごす期間のほうが長いということは往々にしてあるのです。
副作用が少なく、がんを進行させないような治療で共存して延命をはかるのが、「がん休眠療法」の目標です。 |
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| 2. がん休眠療法の対象患者とは? |
対象となる患者さんは、主旨を理解され、同意された方ならどなたでも治療可能です。ただ、この治療法を特にお勧めしている対象としては、高齢者、他に基礎疾患がある方、強化療法では副作用が強く出現する心配のある方、仕事上の理由などで入院治療を受けることができないといった事情のある方などです。
強化療法はまず入院で行うのが一般です。
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| 3. がん休眠療法の効果について |
効果を生存期間で評価した場合、強化療法とがん休眠療法との間に差はないという報告があります。強化療法の方が、がんの縮小が早く得られるので、生存期間の延長も期待できそうですが、がん休眠療法で腫瘍が変わらなかった人と余命に変わりがないというのです。
無理に腫瘍の縮小にこだわって強化治療をすると、全身状態が悪くなり、治療が継続できなくなり、その間に癌が進行することがあります。
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| 4. がん休眠療法の実際の治療法とは? |
使う抗がん剤は強化療法と変わりはありません。
ただ1回に投与する抗がん剤の量を減らして分割投与(たとえば月に1回の投与を週1回の3週にわけるというものです)、または本来抗がん剤を2ないし3剤併用するところを単剤にするといった具合に種類を減らして投与します。この方法ですと、強化療法と同じ投与量を期間がかかっても投与することができ、かつ副作用も軽くて済むことが多いのです。
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| 5. 治療は外来でできる?入院の必要は? |
単剤分割投与の場合は、初回で投与する場合でも外来で慎重に経過をみながら施行できますが、2剤併用で初回の時は入院でしたほうが安全です。高齢者で抗がん剤を投与する場合、初回は入院で安全性を確認してから、外来治療へ移行します。患者さんの状態と希望を考慮して、投与方法により主治医が入院の必要性を決定することになるでしょう。
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| 6. 同じ治療で継続できるのか? |
腫瘍の大きさが大きくならない限り、同じ抗がん剤を続けて投与することになりますが、いずれ効果がなくなり、腫瘍が大きくなる時期がきます。その時点で抗がん剤の変更をします。
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| 7. なぜこれまでがん休眠療法が注目されなかったのか? |
これまでの治療目標が腫瘍の縮小と、生命予後の延長を目標として治療が行われてきたためです。しかし、最近になり腫瘍の縮小が必ずしも満足がいく生命予後延長を期待できないという結果がでているためです。それなら副作用の少ないがん休眠療法のほうがよいとは思われませんか?
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最後に...
がんは言うまでもなく、生命を脅かす強敵です。まともに闘ってきたこれまでの治療では、からだが弱ってしまいます。戦力が失われるばかりか、社会生活にも支障をきたしうるのです。
このがん休眠療法を外来で継続されている患者さんの中には、今まで同様に仕事をされている方がいます。がんと真剣に闘うのではなく、共存することで残された余命を自分の思うように、自分らしく生きる可能性を追求してみるのもひとつの選択肢と思います。
当院では肺癌に対してがん休眠療法に取り組んでおります。関心がおありでしたらどうぞご相談ください。 参考書籍 高橋豊著:がん休眠療法 (講談社) |
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