内科・呼吸器科:田中クリニック 集中治療室
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  集中治療室  
今月の医療特集
●10月の特集は『慢性閉塞性肺疾患(COPD)』です。

慢性閉塞性肺疾患については、聞きなれない疾患と思われる方も多いかもしれません。
息苦しくなる病気で、進行すれば日常的に酸素吸入が必要になってくる場合もあります。特に喫煙が原因と考えられているこの病気、肺癌も重大ですが、苦痛と言う点では癌とあまり変わらないかもしれません。癌は発症してから禁煙しても手遅れですが、COPDは禁煙すれば進行は遅くなり症状も改善します。
喫煙者の方には是非読んでいただきたいと思います。

1. COPDとはどういう病気ですか?
従来肺気腫とか慢性気管支炎と言われてきた病気ことで、肺への空気の流れが制限されて呼吸困難を起こします。
肺は小さな風船(肺胞という)の集まりですが、COPDでは肺胞壁が破壊されて十分酸素が取り込めなくなったり、気管支が炎症のためにむくんで狭くなり、空気の出入りが悪くなるのです。
 
2. COPDの原因は?

最大の原因は喫煙です。COPD患者の約90%に喫煙歴があるとされています。ほかにも職業上の粉塵や有害なガスを吸入しつづけたこと、大気汚染も関係があると言われています。

 
3. COPDの症状は?
慢性の咳、慢性の喀痰、労作性呼吸困難が主な症状であり、治療をしなければ呼吸困難は経年的に進行します。
 
4. 喘息も息苦しくなる病気ですが、COPDとどこが違うのですか?
COPDは喫煙歴を有する中高年に発症しやすく、労作性の呼吸困難をきたすのですが、喘息は若年者からも発症し、アレルギーが関与します。
呼吸困難は発作的に起こることが多く、発作の無い状態では健康人と変わりなく、労作時の息切れもありません。
 
5. COPDの診断はどのように行ないますか?
どうしても欠かせないのが肺機能検査です。思い切り息を吐き出してもらい、一秒間に吐き出す量(一秒量)を測定して、閉塞性障害の有無と閉塞の程度を測定します。
レントゲン写真では、初期に所見は得られにくいのですが、進行例では肺が膨張してみえます。また透過性が亢進して肺の濃度がより黒く写るのです。CTを撮影すれば初期の変化も描出でき診断に有用です。
 
6. 治療法の基本について

治療法はガイドラインに沿って行ないます。すなわち一秒量で重症度別に区分されており、それぞれに治療内容が記してあります。
まず喫煙者は禁煙が原則です。そして基本となる薬剤は気管支拡張剤の吸入です。これにも2種類あって単剤または併用で使用します。

 
7. 気管支拡張剤は内服もあるのに、吸入のほうが良いのですか?
吸入剤のほうが気道局所に直接作用し、早くに効果が得られること、内服と違って全身への作用が少ないので、副作用が出にくいことがメリットとしてあげられます。
吸入剤の第一選択は抗コリン剤と言う種類の気管支拡張剤(商品名;テルシガン、スピリーバなど)であり、同種の内服剤はありません。
 
8. 動いたら息苦しいので安静にしていたほうがいいのですか?
息苦しいからといって安静にしていると、食欲も低下することから栄養状態も悪くなりますし、まず足が弱ってきます。ますます動かなくなり、床につく時間が長くなり、ますます体力が低下していきます。自分のペースで歩くだけでいいので運動してください。
 
9. 家で酸素吸入をしたり、外出時酸素ボンベを使える治療について
在宅酸素療法といって医師が適応と認めた場合、保険適応となります。家や外出先でも酸素を吸入しながらいきいきと生活をされている方がたくさんいます。
酸素吸入が必要となった時点で、吸入を継続した群はしなかった群に比べて、明らかに予後がよいと言う結果が出ています。酸素濃縮器と言う器械を自宅に設置しますが、電源を入れるだけの簡単操作です。外出時は酸素ボンベを使えるように手配できます。
 
10. COPDが増悪した時の症状と対処について、また増悪しないような予防は?
増悪した時は、まず呼吸困難がひどくなります。増悪の多くが感染によるものなので、発熱を認めたり、喀痰が増加、痰が膿性となります。気管支拡張剤の増量、抗生物質、酸素吸入などの治療が必要で、肺炎を起こしている場合や、酸素吸入が必要な状態では、入院すべきです。
予防には毎年インフルエンザワクチンを接種しましょう。風邪をひかないように、手洗い、うがいを心がけましょう。
 

さいごに...
現在喫煙されておられる方は、この機に禁煙を考えてみてはいかがでしょうか?
田中クリニックの過去の『今月の医療特集』で、「たばこと健康被害」を取り上げていますので、こちらの方もご参考になさってください。

 
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