内科・呼吸器科:田中クリニック 集中治療室
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  集中治療室  
今月の医療特集
●11月の特集は『マイコプラズマ肺炎』です。

だんだん気温が下がってきて、冬が到来しようとしています。インフルエンザ予防接種が始まりましたが、これから呼吸器感染症の季節です。
肺炎も多くなってきます。肺炎の起因菌は肺炎球菌が最も多いのですが、次に多いのがマイコプラズマです。健康な人にも感染し流行します。
クリニックでも今年何例か経験しており、小児にも流行がみられているようですので、今回特集にとりあげました。

1. マイコプラズマとは?
マイコプラズマはウイルスと細菌の中間に位置する小さな病原体です。
初期は風邪と区別がつきにくく、通常、咳など気管支炎症状を示すことが多いが、比較的若い人に多い肺炎の起炎菌として有名です。
1〜2 m程度の距離で人から人に飛沫感染するために、学校や職場などの狭い範囲で流行がみられます。潜伏期間は2〜3週間、肺炎が流行する季節は秋です。感染を受けた人すべてに発症するわけではなく、約3〜10%に発症するとされている。
 
2. マイコプラズマ肺炎の症状は?
マイコプラズマ肺炎の症状としては,初期症状は普通の風邪と変わりないことが多く、咽頭痛、全身倦怠、筋肉痛、発熱が最も多い。その後に、自制できないほどの頑固な咳が続くことが多いのが特徴です。
 
3. マイコプラズマ肺炎の診断は?
● 咳が激しい時にまず疑います。痰は少ないかあっても膿性ではありません。
● レントゲンで肺炎像を確認します。典型的所見はありませんが、すりガラス陰影が多いです。
● 血液炎症所見:一般の細菌性肺炎に比べて、白血球は正常か、上昇しても軽度です。
● マイコプラズマ抗体:発症してから5日くらいして上昇する抗体を検出できるキットがあり、タイミングがよければそれで診断は可能。
 
4. マイコプラズマ肺炎の治療
抗生物質のマクロライド系もしくはテトラサイクリン系が効きます。
 
5. 予防するには
患者の鼻やのどからの分泌物に触れたり、飛沫を吸い込だりすることによる感染がありますので、手洗いやうがいも有効です。
また、患者との濃厚な接触を避けることも大事です。
発病前1週間〜発病後10日程度が、感染力がある期間といわれています。
登校登園については急性期が過ぎて症状が改善し、全身状態の良いものは登校可能です。
 
6. 経過について

一般に予後は良好です。しかし、咳嗽が長引くことが多く、1ヶ月以上続くことも珍しくありませんし、レントゲンの肺炎像が改善するのに1〜2ヶ月かかることもあります。一度かかっても再度発病することがあり、一生免疫ができるとは限りません。

 
7. 合併症
経過中に発熱が続き、嘔吐、頭痛等がみられる場合は髄膜炎を合併を考えます。他に中耳炎、尿道炎、肝炎などが報告されてますが、肝障害はみられることが多いように思います。成人より小児に合併症の頻度が多いとされています。
 

さいごに...
マイコプラズマ肺炎は、頑固な咳と発熱が特徴で、小児から30歳代までに発症することが多いことが特徴です。飛沫感染しますから家庭、学校、職場で流行しますので、流行が診断の助けにもなります。マクロライド系抗生物質が有効で、予後は良好ですが、小児では合併症にも注意が必要です。

 
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