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内科・呼吸器科:田中クリニック 集中治療室 |
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| ●2月の特集は『むねやけと咳の関係』です。 |
胸やけというと消化器の症状であり、咳は呼吸器の症状ですから関係なさそうですが、これが大いに関係がある場合があるのです。
胸焼けが起こる原因に胃食道逆流症という病気があります。この病気の患者さんに咳が出やすいのです。我々呼吸器科医は慢性の咳の患者さんを診るときは、胸焼けがないか問診しています。
胸焼けと咳の関係について解説します。
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| 1. 胃食道逆流症とは? |
正常な状態では胃と食道の接合部で逆流防止機構が働くので、胃液が食道へ逆流することはありません。
しかし、この逆流防止機構が働かなくなると胃液が食道に逆流し、胸焼けなどの症状がでます。食道の粘膜は胃液に対する抵抗力が弱く、炎症を起こしやすくなります。逆流により食道炎をおこした状態を胃食道逆流症といいます。 |
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| 2. 胃食道逆流症の症状は? |
1.定型的症状
- 胸焼け
- 吐出:胃からの逆流物が咽頭または口腔にまでもどること
- 嚥下困難、嚥下時痛
2.非定型的症状
- 鼓腸
- 早期腹満感
- ゲップ
- 咽喉頭異常感(のどのイガイガ、つまった感じなど)
- 声がれ
- 胸痛
- 慢性咳
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| 3. 胃食道逆流でどうして咳が出やすくなるのですか? |
逆流物が誤って気管支に入って直接肺を障害するという説と、食道への胃酸逆流刺激が神経を刺激し、同じ神経の支配を受ける気管支にも影響がでるというものです。
欧米では3週間以上持続する咳の5〜20%を占めていると報告されています。 |
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| 4. 胃食道逆流による咳の特徴は? |
・ 咳には痰を伴わないことが多い。
・ 一般に咳止めが効きにくい。
・ 消化器症状と出現する時間帯が同じで、食後が多い。
・ 胃酸分泌を抑制すると咳は改善する。 |
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| 5. 胃食道逆流症はどのように診断しますか? |
1. 胸焼けなどの胃食道逆流による症状の問診
2. 胃カメラで逆流性食道炎の所見
3. 24時間食道pHモニタリングによる胃食道逆流の証明(胃カメラ所見陰性例)
4. 胃食道逆流に対する治療によって症状が改善するかどうか |
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| 6. 胃食道逆流症の治療上気をつけることは? |
1. 食事は一度に食べ過ぎないように、数回に分けて食べる。
2. 就寝前に食事をしない。
3. 逆流が起こりやすいうつぶせや前かがみの姿勢は避ける。
4. 腹圧上昇を避ける(重いものを持ち上げない、コルセットやベルトなどを緩める)
5. 便秘にならないようにする。
6. 睡眠時に上半身を高くする。 |
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| 7. 薬物療法について |
・食道に逆流する胃の内容物の酸度を低下させることが最も重要
・酸分泌抑制剤であるプロトンポンプインヒビターが第一選択
・消化管運動機能改善薬は、胃から十二指腸への食物の排泄を促し、長時間の胃酸分泌を抑制する。
・プロトンポンプインヒビター:オメプラール、タケプロン、パリエットなど
・消化管運動機能改善薬:ガスモチン、ガナトン、ナウゼリンなど |
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最後に...
原因がよくわからない咳を診るときに必ず胃食道逆流症を念頭におかなければなりません。
自覚症状がはっきりしていれば診断しやすいのですが、症状が乏しい症例や、胃カメラでも所見が乏しい症例があります。そういう症例では治療的診断といって胃酸分泌抑制薬を内服して治療効果をみています。咳症状が改善すれば、胃食道逆流による咳と考えてよいでしょう。
心配な方は消化器または呼吸器専門医へご相談ください。 |
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