内科・呼吸器科:田中クリニック 集中治療室
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  集中治療室  
今月の医療特集
●3月の特集は『 ステロイドの副作用 』です。
ステロイドは強い抗炎症作用を有する薬剤で、いろんな疾患に使われています。
とくに難治性の疾患に使用されることが多く、投与期間が長かったり、量も多いことから副作用が問題となります。
今回はステロイド(全身投与)の副作用について特集してみました。病状からは必要な薬剤であっても、副作用と裏腹だったりします。十分副作用に気をつけながら投与を続けるようにしてますが、患者さん自身も認識を深めて、副作用だと思われたら症状を主治医に伝えてください。
1. 外見上の変化

満月様顔貌、中心性肥満が体型として特徴的となる。食欲が亢進することもあって、体重が増加する。女性の場合は嫌がられ、ステロイド量を勝手に調節する場合があるが、基礎疾患が悪化するため危険です。量が少なくなれば必ず改善しますので注意してください。

 
2. 感染症の誘発・増悪
ステロイドの強力な免疫抑制作用により、非常に感染しやすくなります。一般細菌感染のほか、結核や真菌(かび)、ウイルスなどいろいろな感染症にかかりやすくなります。最も多い感染症は肺の感染症です。発熱や咳、痰、呼吸困難が症状として出現します。早期に診断して治療を行わないと生命にかかわることがあります。
 
3. 骨粗しょう症

骨密度が低下して骨がもろくなり、骨折しやすくなります。特に骨量の少ない閉経後の女性はその影響を受けやすい。定期的に骨密度をチェックして、骨粗しょう症に対する治療を予防的にしておきます。日頃から十分なカルシウムを摂取することが大事。

 
4. 糖尿病

もともと潜在的に糖尿病のある人に起こりやすい。ステロイド糖尿病の特徴は空腹時の血糖は著明ではなく、正常範囲のものが多く、食後の血糖が高くなりやすい。ステロイドを減量・中止できない場合は、一般の糖尿病治療を行うが、インスリン抵抗性を示すことも少なくない。血糖をコントロールしておかないと感染症のリスクが高まります。

 
5. 精神症状

不眠、不安、躁・うつ状態などの精神症状のうち頻度が多いのはうつ症状である。
抗精神薬の治療が必要となることが多い。

 
6. 消化性潰瘍

抗潰瘍剤(H2ブロッカー)粘膜保護剤を併用することで発症の防止になる。
潰瘍から出血すれば黒色便となり発見の動機となりうる。症状が軽くて見過ごされることもあるため、便潜血反応や胃透視による定期検査をうけることも必要。

 
7. その他

白内障、緑内障、にきび、大腿骨頭壊死など

 
最後に...
ステロイドの副作用のうち重要なものを取り上げました。
中には生命にかかわる重大なものもあり、早期に診断して治療しないと取り返しのつかない事態を招くかもしれません。通常、潰瘍と骨粗しょう症、そして感染対策として抗生物質は予防的に投与しています。しかし患者さんからの訴えが乏しいと診断が遅れることもあり、主治医も気をつけて問診するようにはしております。
ステロイドは強い薬で副作用も恐いですが、病状に必要最小限の量で投薬されているはずです。主治医の指示を守りきちんと服用して、基礎疾患がよくなれば減量でき、副作用のリスクも減ります。副作用で気になることがあれば、主治医に必ず相談しましょう。
 
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