内科・呼吸器科:田中クリニック 集中治療室
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  集中治療室  
今月の医療特集
●4月の特集は『漢方薬』です。
漢方薬と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
よく「漢方薬は副作用が少ないから安心だ」とか、「効くまでに時間がかかる」とか聞きます。漢方薬は上手に使えば本当に体にいいお薬ですし、西洋薬では考えられないような効果を発揮します。
最近診療の場で漢方薬を処方する医師も増えてきました。私も非常に興味を持っており、専門外の病気にも処方していますが、喜ばれることを多く経験しています。
今回は皆さんが普段感じておられるような疑問点を中心に解説して、漢方薬に親しみをもってもらえたら幸いです。
1. 漢方薬とは?

漢方薬は薬として効くことが知られている生薬を組み合わせた薬で、日本ではその多くが煎じた薬を乾燥させてアルミパックに入れて飲みやすくしたエキス剤です。
病気は本来の健康状態のバランスがくずれたために起こるのであって、漢方薬はそれを元に戻そうと働きかけるのです。

 
2. 漢方薬はどのように処方するのですか?
漢方薬は、病名で処方が決まるといった単純なものではありません。患者さん一人ひとりで同じ病名でも状態が違いますし、体質も違います。そういった病態を見極めながら、最適な薬を選択していくので、いわゆるオーダーメードの治療とも言えるでしょう。
ですから同じ病名でも薬が違うことはよくあります。
風邪を例にとって説明します。
 
3. 風邪の漢方薬はどのように決めていくのですか?

一言に風邪といってもいろんな時期や病態があって、個々に違いますね。有名な葛根湯は、風邪の初期に寒気を感じ、発熱があって汗をかかない場合に有用です。
漢方の考え方は、寒いときは暖める、熱いときは冷やす(清熱という)のです。寒いときは暖めて汗をかかせれば、熱は下がりますね。症状を緩和してもとの状態に戻そうと働くのですから、理想的と言えるのではないでしょうか。
西洋薬では考えにくいことです。

 
4. ひとつの漢方薬で適応病名がいくつもあるのはどうしてですか?

それはひとつの漢方薬のなかには、様々な効果を有する生薬が複合されているためです。それは考えられる合併症や随伴症状にも効くように配合されていることが多いのです。
葛根湯を処方した患者さんが「肩こりが楽になったので続けたい」といって処方を希望されました。葛根湯の効能には肩こりがあります。風邪を引き始めたときに、肩や背中がこわばったり、凝ることを経験しますね。そういった症状に効くように生薬が配合されているのです。
風邪で肩が凝っているときは、ぴったりの処方というわけです。

 
5. 漢方薬はどうして食前または食間に内服するのですか?

空腹時に内服する理由は、漢方薬の成分の多くは腸の細菌によって吸収されやすい形に変えられるので、空腹の方が速やかに腸内へ到達して効果が早くに出るのです。
しかし「食前は忘れやすく、食後ではだめですか」とよく聞かれますが、内服しなくては何の効果も得られません。食後では吸収の問題はあっても効果はありますから、忘れた場合は食後でも内服したほうが良いでしょう。

 
6. 何で飲むのがよいのですか?

西洋薬同様にお水といっしょにのめばよいのですが、コップ一杯の量があれば溶けやすく吸収されやすくなります。もっと吸収をよくするには白湯で溶かしてのめば効果的です。
葛根湯なら寒気のあるときに服用するのですから、お湯で溶かして飲んだ方が体も温まって効果的です。

 
7. 漢方は効くまでに時間がかかりますか?

漢方薬は効果が出るまでに時間がかかるというイメージが強いようですが、急性の病気であればすぐにでも効果が出ます。葛根湯もそうです。
慢性の病気では時間がかかる場合がありますが、漢方が合えば約2〜4週間で何らかの効果を感じることができます。最近5年間腰痛で辛かった人に五積散を処方したところ、2週間後には楽になったと喜ばれました。
慢性疾患だからとあきらめないで下さい。西洋薬より効果のある場合が多々あります。

 
8. 副作用は少ないのでしょうか?

西洋薬に比べて少ないとはいえ、漢方薬にも副作用があります。
重篤なものでは肺炎が報告されていて、生命にかかわることもありますし、西洋薬との併用で具合が悪くなることもあります。アレルギー反応もありますし、決して安心できるいう薬ではありませんので、具合の悪い反応がでたら薬剤師か主治医に相談してください。

 
9. 漢方薬はどんな病気に対して西洋薬より効果が発揮できますか?

患者さんの訴えに対して西洋薬では処方に困る病態があります。それは原因がはっきりしない場合で、食欲がないとか体がだるいなどです。それからホルモンのバランスがくずれておこる更年期障害の症状、冷え性などその人の体質を変えるのは西洋薬では困難です。
原因がよくわからない、診断がついていなくても、漢方医学的な診察である程度処方は決まります。もとに戻そうとする効果のある生薬を含んだ製剤を選択するのです。

 
田中クリニックで漢方薬はどんな病気に使ってますか?
呼吸器が専門ですから呼吸器疾患をはじめ、内科疾患に限らず頭痛、腰痛や関節痛、冷え性、更年期障害、痔、アトピー性皮膚炎にまで多岐にわたって使用しています。
他には漢方が得意とする精神疾患(不安やイライラ抑うつ)にも使います。
まだまだ専門というわけではありませんが、興味があればご相談ください。
 
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