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内科・呼吸器科:田中クリニック 集中治療室 |
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| ●5月の特集は『肺癌(第1回)』です。 |
肺癌は癌の中でも非常に多く、男性では死亡のトップです。年間6万数千人が肺癌にかかり、5万4千人の方々が亡くなっています。しかし肺癌の診断や治療においては進歩がみられていますので、なるべく早くに気づいてもらって、早期発見・早期治療したいものです。
そこで今回から二回にわたって肺癌の知識について解説をしたいと思います。特にリスクの高い喫煙者の方には読んで頂きたいと思います。
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| 1. 肺癌の症状にはどんなものがありますか? |
咳、痰(血痰)、胸部痛、背部痛、呼吸困難、体重減少、発熱、声がれなど多彩です。
癌そのものによる症状だけではなく、周囲へ浸潤することで疼痛が出現しますし、呼吸困難を伴ってきます。また無症状なのにレントゲンで発見されることがあります。 |
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| 2. 肺癌発症に喫煙はどの程度リスクがあるのですか? |
タバコを多く吸う人ほど肺癌にかかりやすくなり、一般に喫煙指数(一日の喫煙本数×喫煙年数)が600以上の人は肺癌になるリスクが高いといわれています。毎日喫煙する人の肺癌になるリスクは、非喫煙者に比べて、約4~5倍高くなります。
また受動喫煙といって喫煙者の周りの人にも発症するリスクがあるといわれています。 |
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| 3. 検診で定期的にレントゲン検査を受けておけば肺癌の心配はいりませんか? |
検診で受けるレントゲンは単純撮影といって必ずしも癌を描出できるわけではありません。小さかったり、淡い陰影はわかりにくいことがあります。また肺の入り口(肺門)にできる癌は心血管系との重なりで読影は困難です。分かりにくい陰影については、CTという断層撮影が描出に優れています。また進行の早い癌では年1回の検診でも手遅れといったことがあります。
決して検診を受けているから安心してよいというわけではありません。 |
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| 4. 肺癌の診断をどのように進めていくのですか? |
癌の確定診断は癌細胞や癌組織を証明することが必要です。レントゲン写真で疑わしい陰影があっても診断はできません。痰の出る患者さんには喀痰細胞診検査を行ないます。
癌細胞が検出されれば診断は確定しますが、検出の有無に関係なくどの程度進行しているかなど病期を決めるためにも気管支鏡をおこないます。病巣から細胞や組織を採取して癌の組織型を調べます。気管支鏡で診断困難な症例では、透視で病巣を映しながら針を命中させサンプルを採取する方法をおこないます。 |
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| 5. 血液検査で腫瘍マーカーはどういう検査ですか? |
がん細胞自体が産生した物質を血中で証明できるのが腫瘍マーカーです。
ただし陰性だからといって癌は否定できませんし、陽性であっても良性疾患のこともあり、補助的診断として有用ですが、決め手にはなりません。ただし、陽性例では治療効果とともに数値に低下が見られると、効果判定に役立ちます。また上昇があれば再燃を疑えますので、経過をみる上では重要な検査といえます。 |
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| 6. 転移の有無をみるためにどういう検査をしますか? |
手術できるかどうか、病期を判断する上で転移の有無をみなければなりません。
脳はMRI検査を行ないます。MRIは強い磁気を利用して体の中の状態を画像化する検査です。
全身の骨をみるには、骨シンチをおこないますが、これは転移巣へ取り込まれる放射性同位元素を注射し、全身の写真を撮影して調べます。
腹部臓器の検索にはCTや超音波検査を行ないます。
これらの検査は症状の有無にかかわらず必要な検査です。 |
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| 7. 肺癌から転移しやすい臓器はどこですか? |
肺癌は同側肺や対側肺に転移しますし、肺外で転移しやすい部位としては、がんの近くのリンパ節や脳、骨、肝臓が代表的です。ただし転移した癌が非常に小さいと検査の画像でとらえることができない場合があります。
治療後も定期的な転移検索が必要です。 |
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| 8. 肺癌の組織学的分類について |
肺癌は大きく小細胞癌と非小細胞癌のふたつに分けられ、非小細胞癌はさらに、扁平上皮癌、腺癌、大細胞癌に分類されます。この二つの分類で、手術の適応や使う抗がん剤など大きく違うのです。
小細胞癌では増殖が早く、進行性ではありますが、非小細胞癌に比べて抗がん剤や放射線治療が非常によく効きますので、完治するケースもあります。 |
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| 9. リンパ節が転移しているとはどういうことでしょうか? |
リンパ管は血管同様体の中に張り巡らせており、リンパ球という免疫にかかわる細胞が流れています。リンパ管には所々にそら豆ほどの節があり、これをリンパ節と呼んでいます。ここに癌細胞が増殖すればリンパ節転移が成立します。
肺には多数のリンパ管は巡らされており、転移があればさらに胸の外側へ進展します。首のリンパ節が腫れたりするのがそうです。限られたリンパ節転移のうちでないと手術はできません。 |
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| 10. 治療方針はどのように決めていくのですか? |
原発巣の大きさや浸潤程度、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無から病期を決定します。遠隔転移のあるものでは手術適応はなく、化学療法が主体です。同側リンパ節転移までであれば手術できます。対側リンパ節転移があれば、化学療法+放射線治療になります。
このように病期によって治療方針はガイドラインができています。
ただ単純には決めれない症例もあり、数人の専門家の意見を聞くこともあります。 |
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さいごに...
今回は肺癌の一般的なこと、診断学について解説してみました。すこし専門的な用語も出てきましたので、わかりにくい個所もあったかもしれません。
次回は肺癌の治療について特集をいたします。続けてご覧下さい。 |
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