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内科・呼吸器科:田中クリニック 集中治療室 |
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| ●8月の特集は『イレッサ』です。 |
肺癌についての特集は今回イレッサについて取り上げました。
肺癌治療薬として注目されましたが、副作用で死者を多く出して裁判になるなど大きな問題となりました。しかし、まだイレッサは認可されています。これには副作用も重大ですが、効果があるからでしょう。
これまでの問題点、現状について学会よりまとめたものがありますので、紹介いたします。副作用には十分注意が必要ですが、この薬は肺癌治療の選択肢として重要な位置付けがあると思っています。この特集で参考にして頂ければ幸いです。
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| 1. イレッサとはどういう抗がん剤なのですか? |
非小細胞肺癌の細胞の表面にはEGFRという蛋白質が発現していることが多く、この蛋白質からの信号が伝わるとがん細胞が増殖します。
イレッサはがん細胞を直接攻撃するのではなく、このEGFRからの信号伝達をとめることで、がん細胞の増殖をおさえます。 |
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| 2. 副作用で死者をだした間質性肺炎とはどういう病気ですか? |
| 肺は肺胞という小さな風船構造の組織が集合しているのですが、肺胞の壁などの間質に炎症が起こって次第に瘢痕化(線維化)することから肺線維症とも呼ばれてます。進行すれば肺のふくらみが悪くなり呼吸不全になります。症状は発熱、咳、息切れなどです。 |
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| 3. 間質性肺炎の頻度と死亡率について |
間質性肺炎と急性肺障害とあわせて分析されています。検討症例3322例中193例にみられ(5.8%)、死亡したのは75例(2.3%)です。
ただイレッサと因果関係が明らかなものから、可能性が否定できないものまで含んでいますから、亡くなった症例すべてにイレッサが原因とは確定できません。 |
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| 4. 呼吸器以外にはどのような副作用がありますか? |
| 発疹が17%、肝機能障害が11.1%、下痢が11%報告されています。 |
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| 5. 肺障害の発現しやすい人とは? |
1. 全身状態が悪い人(軽い労働もできない状態かそれ以上に悪い人)
2. 喫煙歴を有する症例
3. 投与時に間質性肺炎を合併している症例
4. 抗がん剤治療歴のある症例 |
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| 6. イレッサの効果はどれくらいですか? |
1ポイントの評価における肺病巣の奏効率(50%以上縮小)は24.1%です。50%までの縮小や腫瘍の進行が止まったものも効果があったとして含めば40%台となります。
効果発現までの期間は36.7±29.5日で、早いものでは一週間で効果が出ています。 |
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| 7. イレッサ投与により、利益が得られる可能性の高い患者さんとは? |
| 組織型が腺癌、女性、非喫煙者、東洋人です。 |
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| 8. 投与する場合の注意点は? |
まず、間質性肺炎がないことが大前提です。放射線治療歴のある人も間質性肺炎を起こすかもしれないので避けます。そしてイレッサ投与は単独で行い、他の治療との併用は行いません。
また肺癌化学療法に十分な経験をもつ医師が使用すること、投与中の緊急時に十分な措置ができる医療機関であること、少なくとも投与後4週間は入院またはそれに準ずる管理の下で観察を十分行うこと が指導事項に含まれています。 |
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| 9. 患者さんが内服中に注意すべきこと |
1. かぜのような症状が出現した時は速やかに主治医に連絡してください。
2. グレープフルーツジュースはこの薬の作用を増強しますので避けてください。
3. 1日1回1錠の内服を確実に守ってください。 |
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さいごに...
最近では主治医がイレッサ投与症例を慎重に選択していること、間質性肺炎の発症に十分注意しており、発症しても早期に治療を行える体制になっていることなどから、死亡者が激減しております。特に女性の腺癌症例に効きやすいので、他の治療法が無い場合などは、よく主治医と相談してイレッサ内服を検討されたらよろしいかと思います。
クリニックでもイレッサは処方しておりますし、投与開始時から24時間連絡体制で副作用の対応をしております。
また万が一間質性肺炎を発症し、入院が必要な場合は呼吸器専門医へ紹介いたします。 |
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