内科・呼吸器科:田中クリニック 集中治療室
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  集中治療室  
今月の医療特集
●2月の特集は『インフルエンザ診断』です。

みなさん、こんにちは。1月になってからインフルエンザが猛威をふるってます。学級閉鎖もありましたし、特に受験生は神経をとがらしているかもしれませんね。
院長をはじめスタッフも患者さんから移されることのないようにマスクを絶えずしており、患者さんから風邪ですか?と聞かれることがあります。
風邪なのかインフルエンザなのかはドクターでも違いが難しいケースをよく経験します。そこで1月に経験した症例も検証しながら、どのように診断しているのかを紹介します。

1. インフルエンザの症状の特徴は?
インフルエンザは風邪と違って、突然発熱(高熱)で発症することが多く、頭痛や関節痛などの身体の痛みを伴うことが多いです。また。鼻水や咳、のどの痛みは少し遅れて出現することが多いとされています。
とにかくだるいです。それと顔が紅潮していたら、かなり疑わしいと思います。
 
2. インフルエンザの問診で重要なことは?
だるさが強いかどうかを聞く事が重要ですが、もうひとつ大事なのは、回りにインフルエンザの人がいたかどうかです。家族にいた場合、かなり接触しているため感染している可能性が高くなります。
それとワクチンを接種しているかどうかです。ワクチン接種者は、症状が軽くて済むことがありますので、風邪とまぎらわしいです。
 
3. インフルエンザ迅速診断法について
咽頭や鼻腔の粘膜を綿棒でこすって付着したウイルスを検出する方法です。15分で判定するのですが、ウイルスが多いと数分で陽性に出ます。一般に症状が出現してから12時間以上経過すれば陽性率は高いのですが、12時間以内なら陽性率は40%くらいです。
インフルエンザかどうか診断できるキットと、型がAかBかまでわかるキットがあります。
 
4. 迅速診断の判定がひるがえるケース
15分で判定するのですが、もう少し時間を置けば陽性になるケースを経験します。
夕方に判定して陰性だったのですが、翌朝見たら陽性だったことがありました。ウイルス量が少なければ陰性または時間がたってから陽性となることがあります。
 
5. 迅速診断の判定に影響を与える因子のひとつ
それはドクターの手技的問題です。綿棒を鼻腔または咽頭の粘膜をこすってくる手技は簡単なようで、患者さんにとっては不快な行為です。いやがられて上手に取れない場合、きちんと採れていたら陽性のところ、陰性の判定となる場合もあります。
 
6. 鼻腔か咽頭で採取する場所が違えば陽性率に差があるのか?

鼻腔のほうが陽性となりやすいと言われています。咽頭は採取時に舌で邪魔されたり患者さんの咽頭反射(えずき)で十分採取できないことが要因として考えられます。

 
7. キットによる迅速診断で陰性の場合、診断をどう考えるか?
症状が典型的であった場合、インフルエンザの患者さんと濃厚に接触している場合は陰性でも臨床的にインフルエンザと診断しています。それ以外で、時間がまだ経過していない場合、症状が軽い場合などは翌日に再検査することがあります。
 
8. 1月に経験した症例を提示

● 37度台の微熱であり、咽頭痛を訴えて受診。ワクチンを接種している人でした。
症状が軽く風邪と診断しましたが、翌日39度の発熱がみられ、再受診。判定が陽性となり、インフルエンザでした。初日に検査をしても陽性とは判定できなかったと思います。
→風邪症状が先行したり、同時にみられることがあります。インフルエンザの場合、初期には高熱がみられなくても、後日出現する可能性があります。またワクチン接種している人の場合、軽症で経過すれば風邪との鑑別が困難となります。

● 高熱が出ていてインフルエンザが疑わしいのですが、倦怠感が乏しく一見病気でないようにみえた患者さんがいました。
子供さんの中には熱が高くても元気で走り回る子がいます。成人でも熱に強いというのでしょうか、元気そうに見えましたが、インフルエンザと診断した患者さんがいました。

 
9. 副鼻腔炎や気管支炎と合併した場合
インフルエンザ単独でも感冒症状を伴うのですが、副鼻腔炎や気管支炎を合併すれば、色の濃い鼻汁や痰が出ることがあり、抗インフルエンザ薬以外に抗生物質が必要となるケースがあります。
抗インフルエンザ薬投与で大体2日もすれば解熱しますが、発熱の続く場合や鼻汁、痰が続く場合は細菌感染も合併している可能性があると思います。
 
10. A型かB型かを同定することで治療に違いがあるのですか?
型がAであってもBであってもほとんど治療は変わりません。A型にしか効かないアマンタジンという薬を使うのであれば、はっきりさせておく必要がありますが、一般的にはどちらにも有効なタミフルかリレンザを使うことが多いのです。
 

さいごに...
インフルエンザは迅速診断キットが導入されてから、診断率が高まりました。しかし実施する時期などで必ずしも陽性となるわけではなく、問診や診察所見が重要です。周囲にインフルエンザの人がいて、自分も症状がでたらかなり発症した可能性は高いと考えます。潜伏期間は2〜3日です。この時期、日頃から手洗いやうがいをまめにして予防しておきましょう。

 
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