診察室

今月の医療特集【痛風】

みなさん、こんにちは、院長の田中です。
今年の冬は暖かく、インフルエンザも例年のようには流行っていません。また花粉症の時期となりましたが、今年は飛散量が少ないため、毎年苦しんでいた方も軽くて済んでいるのでしょうか?このまま春がくればよいと願っております。
今月の特集は痛風を取り上げます。男性に多い病気なのですが、最近では女性にも増えてきております。突然激痛が襲ってくるかもしれません。尿酸値は健康診断に項目として入っていない場合があり、痛みがなくても病気はひそんでいるかもしれませんので、この機会に知識を深めていただければ幸いです。

また、「この病気を取り上げてほしい!」といったご要望も受け付けておりますので、ご意見をぜひお寄せくださいね。

●3月の特集…《痛風》について

3月の特集【痛風】痛風とはどんな病気?
突然足の親指の付け根の関節が赤く腫れて激痛が起こる病気です。血液中の尿酸値が高い人に起こります。
この痛みは1週間から10日たつとしだいにおさまってきますが、痛風とわからずに放置しておくと再度発作に見舞われます。
字のごとく「風が当たっただけでも痛い」病気なのです。

 

 

尿酸とは?
尿酸とは体内でプリン体と呼ばれる物質が分解されてできるものです。プリン体は体の細胞の重要な成分を構成する物質です。
プリン体は食事から取り込まれるだけではなく、新陳代謝によっても産生されています。肝臓で代謝されて尿酸となり、最後は腎臓から尿と一緒に排泄されます。

尿酸値が高くなる理由は?
尿酸が増えてしまう理由のひとつは体内で尿酸が作られすぎる場合です。体内での尿酸の合成が多すぎたり、プリン体を含む食事を取りすぎる結果尿酸値が高くなります。
もうひとつは尿酸の尿への排泄がうまくいかずたまっていく場合です。
日本人の場合はこちらのタイプが多いです。

痛風が男性に多い理由
尿酸の血液中の濃度が女性では男性より低いことが理由です。
これは女性ホルモンに腎臓から尿酸の排泄を促す働きがあるからで、閉経後に女性ホルモンの分泌が減ると尿酸値は上昇します。

痛風の診断は?
診断は症状と所見で行います。診断基準を示します。
1)症状が出てから一日以内にピークに達する
2)以前にも同様の症状があった
3)ひとつの関節だけに症状がある
4)関節の部位が赤くなって腫れる
5)足の親指の付け根に激痛や腫れがある
6)片足の足首周りの関節に炎症がある
7)血液検査で尿酸値が高い

尿酸値と痛風の関係
尿酸値の正常値は男性では4.0〜6.5、女性では3.0〜5.0mg/dlと言われています。ただし男女とも7.0mg/dl以上になると高尿酸血症といいます。
しかし、尿酸値が高いからといってすぐに痛風の発作が必ず出るとは限りません。放置しておくと尿酸の結晶が関節などに蓄積して痛風発作が起こるのです。

痛風の薬物治療は?
痛風発作時には、消炎鎮痛剤の投与を行います。すでに尿酸値を下げる薬を服用中の患者さんは継続しながらでよいのですが、初めての方は、痛風発作がおさまってから尿酸を下げる薬を開始します。
尿酸値を下げる薬には、尿酸産生過剰型に対する尿酸産生阻害薬と、尿酸排泄低下型に対する尿酸排泄促進薬の2剤があります。高尿酸血症がどちらのタイプかは、尿中の尿酸値を調べることで診断できます。

食事療法として気をつけることは?

  1. プリン体を多く含む食品を減らすこと。プリン体はレバー、魚の干物をはじめ、魚貝類や肉類に多く含まれています。プリン体は水溶性で、料理により水中に溶け出す性質があるため、肉や魚のゆで汁や焼いた後の汁を捨てればプリン体を減らせます。
  2. アルコール、なかでもビールにはプリン体含有量が多く、控える必要があります。焼酎が最も含有量が少ないことも参考にして摂取してください。
  3. 血液中の尿酸値を高くしないように、尿酸をうまく排泄させるために水分を十分とりましょう。水やお茶などのカロリーのないものがよいでしょう。

日常生活で気をつけること
・尿酸値は激しい運動でも上昇しますので、気をつけてください。
・ストレスも増悪因子です、ストレスをためないようにしましょう。

痛風は何科で診てもらえばいいの?
関節が痛くなる病気ですので、整形外科を受診される場合が多いのですが、主には内科で診察を受けましょう。薬物療法だけではなく、食事指導も受けてください。

最後に...

痛風発作は激痛で歩けなくなるほどですが、痛みのない状態では
尿酸値が高いのに気がつかれず、いつ発作がおきてもおかしくな
い状態があります。
診断は採血で尿酸値を調べればよいので簡単です。
尿酸値を気にせず食事が楽しめるようにしたいものです。