診察室

今月の医療特集【ドライマウス(口腔乾燥)】

みなさん、こんにちは、院長の田中です。
4月はゆっくり花見ができましたでしょうか?
院長は姫路城に登ってきまして、ひと汗かきましたが気持ちよかったです。4月もあっという間に過ぎ去ってしまい、次の特集は何にしようかと最近では悩むようになっております。できるだけ皆さんや身近な人が普段から経験する病気、何科を受診したらいいのかわかりにくい症状、トピックスなどを取り上げるようにしております。
今回はドライマウスを取り上げます。年齢とともに唾液の分泌は少なくなり、ドライマウスとなっていくのですが、いろんな原因がありますので認識を高めていただければ幸いです。

また、「この病気を取り上げてほしい!」といったご要望も受け付けておりますので、ご意見をぜひお寄せくださいね。

●5月の特集…《ドライマウス(口腔乾燥)》について

5月の特集【ドライマウス】ドライマウスとは
唾液の分泌量の低下により口腔内の乾いた状態です。訴える人の9割は女性で、50代以降に増えます。受診しても原因が分からず、病気ではないとしてとりあってもらえないこともあるようです。

 

 

 

ドライマウスの症状
・口が渇く(からからになったり、ねばねばになる)
・口の中、舌がひりひりとした痛みを感じる
・食べ物が飲み込みにくい(食事中に水分をよく摂る)
・口臭がある、または口臭が気になる
・虫歯になりやすい

唾液の働きについて
1)消化作用:唾液に含まれる消化酵素により食べ物の消化を助けます。
2)自浄作用:歯についたプラークや食べ物かすを洗い流します。
3)抗菌作用:抗菌作用を有する物質が微生物に抵抗します。
4)保護作用:粘膜を保護します。

ドライマウスの原因は?

  1. 精神的ストレス、緊張
    ストレスがかかったり緊張すると交感神経が刺激され、唾液の分泌が抑制されます。
  2. 年齢によるもの
    年齢とともに唾液の分泌が低下します。
  3. 薬物の副作用
    抗精神薬、鎮痛剤、抗パーキンソン剤、抗アレルギー剤などの薬剤の副作用として唾液の分泌低下があります。
  4. 口呼吸
    鼻が悪いと口呼吸となり、唾液が蒸発してしまうことで口が渇きます。
  5. 病気
    ・脱水や糖尿病では体の水分が少なくなり、唾液も少なくなります。
    ・唾液腺の病気、シェーグレン症候群(後述)、骨髄移植、人工透析中、更年期障害

シェーグレン症候群とはどんな病気ですか?
この病気のほとんどが女性に発症し、年齢は40代から60代に好発します。涙や唾液の分泌が悪いために、口と眼の渇きを主症状とする免疫異常の病気です。唾液腺に炎症が起こり唾液の分泌が低下します。

ドライマウスの診断
1.まず唾液の分泌が低下しているのかを診断します。
唾液分泌検査〜簡単な方法は15分間唾液をコップに貯めていき、1.5ml以下であれば分泌低下と診断します。ガムをかみながら10分間唾液を貯めていく検査の場合、10ml以下で分泌低下と診断します。

2.次に唾液が作れなくなった人なのか?水分が減った人なのか?を診断するために、唾液腺機能シンチグラムという検査を行います。
機能が低下していれば唾液が作れなくなっていると診断できます。

3.問診が重要で、服用している薬剤、糖尿病を含めて治療中の病気の有無、口呼吸の有無などの情報を聞きます。

4.シェーグレン症候群の診断には、唾液腺造影、唾液腺シンチ、唾液腺MRI、血液検査で自己抗体検査が有用です。
組織診断をするためには口唇より組織を採って調べる方法もあります。また眼科で涙液分泌減少の有無を調べてもらいます。

ドライマウスの治療法
治療は原因をみつけてその対応をすることです。糖尿病などの基礎疾患があればその治療を優先します。薬の副作用が考えられたら薬剤の変更や減量を考えます。ストレスが原因であればその対応が必要です。

乾燥への対処は口腔の保湿です。内服薬、外用薬の薬物療法に加えて唾液腺刺激療法(ガムをかむ、唾液腺マッサージ)を行います。薬剤には唾液分泌促進薬があります。漢方薬にドライマウスに有用なものがあります。

口腔粘膜の保護、保湿〜保湿剤配合の洗口液、保湿ジェル、保湿スプレー、人工唾液、夜間の乾燥を防ぐ保湿用マウスピースなどがあります。

ドライマウスはどの科を受診すればよいのですか?
原因によって診療する科はいろいろですが、まずは内科もしくは歯科・口腔科で診察を受けてください。歯を含めた口腔内ケアは歯科が専門です。
シェーグレン症候群は内科と耳鼻科が連携をとりながら診療します。

●参考資料;ドライマウスオアシス

最後に...

院長はシェーグレン症候群に興味を持っており、簡単な検査は
クリニックでできます。 眼科で行う涙液分泌能検査もできます。
ドライマウスにはいろんな原因がありますが、クリニックでは
その鑑別診断や治療を行っておりますのでご相談ください。
耳鼻科、歯科、眼科などへも必要により紹介をいたします。