
みなさん、こんにちは、院長の田中です。
最近世間を騒がしているのがはしかの流行です。それも小児期にかかることがほとんどの感染症なのですが、成人発症が多くなっていて、授業が停止になるなど、大きな社会的問題に発展してきました。関東でまず流行し、関西へも広がりつつありますが、姫路ではまだ流行はなくこれから用心が必要です。
予防接種や抗体の採血希望の問い合わせが増えております。今回は麻疹について特集してみましたので参考にしてください。
また、「この病気を取り上げてほしい!」といったご要望も受け付けておりますので、ご意見をぜひお寄せくださいね。
■麻疹(はしか)の臨床的特徴
・麻疹(はしか)ウイルスによって起こる急性発疹性感染症
・好発年齢は0〜4歳で、2歳以下の患者が約50%であり、その95%以上が予防接種未接種
・主な症状は発熱、咳、鼻汁、発疹
・潜伏期間は1〜2週間
・感染力が強く、予防接種を受けないと多くの人が発症する
・経過
カタル期(2〜4日)38℃前後の発熱、咳、鼻水、結膜炎
発疹期(3〜4日)一度下降した熱が再度高熱となり、発疹が出現
回復期(7〜9日)解熱して発疹は消退し、色素沈着を残す
■麻疹(はしか)の合併症
・中耳炎:約7〜9%
・肺炎 :約1〜6%
・脳炎 :0.2%
■麻疹(はしか)の診断は?
麻疹(はしか)は臨床症状でほとんど診断できます。確定診断としては、ウイルスの分離(咽頭ぬぐい液、血液)、麻疹特異的IgM抗体の測定、急性期と回復期での麻疹IgG抗体の有意な上昇を確認する方法があります。
■麻疹(はしか)の感染経路と感染力について
空気感染や、飛沫感染、接触感染など様々な経路で感染します。その感染力はきわめて強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ全員が発症します。
麻疹(はしか)患者一人から免疫を持っていない人15〜20人に感染させるくらいの感染力があります。
■麻疹(はしか)の治療法は?
自然経過でも治りますが、症状を緩和させる対症療法がおこなわれます。特別な治療法はなく、抗生物質は効きません。
■麻疹(はしか)患者と接触後の予防法は?
麻疹(はしか)患者と接触した場合、接触後3日以内なら麻疹(はしか)ワクチン接種で発病を防止できる可能性があります。
6日以内ならガンマグロブリン注射(血液製剤となります、高価です)で発病を防止できる可能性があります。
■ワクチン接種を受けたのに発症する人とは?
一度ワクチン接種を受けているのに、典型的ではない麻疹(はしか)にかかることがあります。これは修飾麻疹(はしか)と呼ばれ、接種後に麻疹(はしか)ウイルスにさらされる機会がないために、次第に免疫力が低下したことによります。
■ワクチンの定期接種の対象は?
1歳児と、小学校就学前の1年間の2回接種を行います。通常麻疹風疹混合ワクチン(MR)の接種となります。
■ワクチンの効果は?
ワクチン接種による抗体陽転率は95〜98%とほとんどが抗体を獲得します。免疫の持続期間は10年くらいと考えられています。
■発病したとき、学校を休むべき期間とは(登校してよい時期は)?
学校保健法によって規定されており、発疹を伴う発熱が解熱したあと3日を経過するまで出席を停止することになっています。
■麻疹(はしか)にかかったことがなく、抗体があるのか調べることができますか?
麻疹(はしか)の抗体検査は一般医療機関でできますが、保険適応がありませんのでご注意ください。
現在検査が大変集中しており、中止もしくは結果報告が遅れていますので、事前に確認してください。
最後に...
田中クリニックでは、麻疹抗体価の測定および麻疹風疹混合ワク
チン接種を受け付けております。事前に予約をお願いします。
麻疹の発病初期は風邪と鑑別は困難で、発疹が出現して診断され
ることが多いようです。診断後は、通常は決められた医療機関だ
けの届け出でよかったのですが、現在すべての医療機関に届け出
の要請がありました。
流行があればすぐにニュースになると思いますので、気にかけて
おいてください。
