診察室

今月の医療特集【盲腸】

みなさん、こんにちは、院長の田中です。
この原稿を書いている4月上旬は暖かく、桜が例年より早くに咲いています。3月29日に東京へ行きましたら満開でした。
今年は花粉が多く飛散しており、つらい症状のために受診する患者さんが増えています。クリニックでは花粉症の治療も行っていますのでご相談ください。
今月の特集は盲腸を取り上げます。よく聞きなれた病名と思いますが、盲腸は病名ではなく、腸の部位をさします。病名は虫垂炎といいます。ポピュラーな病気ではありますが、詳しく知らない人が多いと思いますので取り上げました。
もし右下腹部痛があったら、疑ってください。そして軽く考えずに受診しましょう。

また、「この病気を取り上げてほしい!」といったご要望も受け付けておりますので、ご意見をぜひお寄せくださいね。

●4月の特集…《盲腸》について

4月の特集【盲腸】盲腸とは
盲腸とは小腸から大腸に移った直後の大腸の部分です。その末端から7〜8cmの長さで突起物があり、ここを虫垂といいます。

 

 

 

虫垂炎とは
虫垂が何らかの原因でつまってしまい、細菌感染を起こしたのを虫垂炎(俗にいう盲腸)といいます。生涯でかかる率は約7%、10〜30歳が一番かかりやすい年齢です

虫垂炎の症状
典型的な症状は、上腹部の不快感からはじまって次第に右下腹部痛が起こります。その後食欲不振・発熱・嘔吐が出現してきます。炎症がひどくなり、腫れた虫垂がやぶれると腹膜炎をおこしておなか全体に痛みが広がります。

盲腸の診断
1)まず前述の自覚症状から虫垂炎を疑います。次に腹部を触診して虫垂のあたりに圧痛の有無を確認します。腹膜炎をおこしていたら、押さえた時より手を離したときのほうが痛くなります。
2)血液検査:炎症所見として白血球数の増加やCRP(炎症蛋白)の上昇があります。
3)画像診断:超音波検査やCTで腫れた虫垂を観察することで診断できます。

虫垂炎と間違えやすい病気
1)大腸憩室炎:大腸の壁が弱く小さなふくろができ、そこに膿がたまったり炎症を起こす病気。治療は抗生物質の投与で、手術を必要とするケースはまれです。
2)女性付属器炎:卵巣や卵管の炎症でも右下腹部痛のために鑑別が必要となります。

治療
1)軽症では抗生物質で改善しますが、再発することがあります。
2)炎症をおこした虫垂切除術で完全に治ります。一般に診断がつけばすぐに手術になります。入院期間は一週間前後です。治療が遅れると腹膜炎を起こしてさらに入院期間は長くなります。最近では腹腔鏡で行われることが多くなっています。

受診する科は?
腹痛ですので、内科でも診察は可能ですが、最終的には外科のドクターに見ていただくことになりますので、右下腹部痛なら最初から外科を受診されてもいいでしょう。

最後に...

虫垂炎は誰でもかかりやすい病気で、手術すれば完治するのですが、
手遅れになれば腹膜炎をおこして生命にかかわることもあります。
たかが腹痛とあなどらずに早めに受診しましょう。
クリニックでも診察はしておりますし、連携医療機関へ紹介もでき
ます。