診察室

今月の医療特集【便通異常(過敏性腸症候群)】

みなさん、こんにちは、院長の田中です。
暖かいというより日中は気温が上昇して暑く感じられるようになりました。ある地域では真夏日も記録されていました。GW前後は診察予約が大変混んでおり、GW前には予約外の患者さんも多く、お待たせしたり予約を取り直して帰られた方がおられ、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。予約外の患者さん以外でも診察の内容や処置により遅れが出ることがありますのでご理解をお願いします。

今月の特集は便通異常を取り上げます。すでに便秘は過去に書きましたが、今回は過敏性腸症候群によるものを取り上げました。意外とこの病気は多く、ストレス病でもあるので、関心を持っていただければ幸いです。

また、「この病気を取り上げてほしい!」といったご要望も受け付けておりますので、ご意見をぜひお寄せくださいね。

●5月の特集…《便通異常(過敏性腸症候群)》について

5月の特集【便通異常(過敏性腸症候群)】過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群は、主として大腸の運動および分泌機能の異常でおこります。
検査では異常が見つからないのに、便通異常や腹部膨満感などの症状がおこります。消化器症状で受診しても異常が見つからず、適切な治療を受けることができないケースもあります。

 

 

原因は
ストレスが関与して起こり、自律神経機能が不安定となり、腸の運動が過敏になって亢進すれば下痢となりやすく、逆に運動が悪くなれば便秘となります。便秘と下痢を交互に繰り返すケースもあります。
もともと神経質な性格であったり、ストレスの影響を受けやすい人が、食事の不摂生やストレスが引き金となって症状が出現しやすくなります。

病気のタイプと症状について
1)便秘型:腹痛があり、便意があっても便が出にくく、ウサギの糞のようなコロコロ便が出ます。腸の蠕動運動が低下し、また大腸のS状結腸という部分に異常な収縮運動がおこるために、便がせきとめられることで便秘となります。

2)下痢型:慢性の下痢が続き、便に粘液が混ざることがあります。腸の蠕動運動が活発で、便の形ができる前に排泄されるために下痢となります。胃に食べ物が入ると大腸の動きが速くなり、食事ごとに排便したくなるのが一般的です。

3)下痢便秘混合型:下痢の便が数日続いたあとに便秘に変わるといった交互に来るタイプです。自律神経なアンバランス、ストレスで生じやすくなります。

ストレスとの関係
ストレスで胃が痛くなるように、おなかも痛くなって下痢します。このような経験が引き金になっておなかに注意が集中するようになると、少しの痛みでも感知して症状が悪化します。
ストレスや不安は痛みを感じやすくするためにますます腹痛が増強し、この腹痛がさらに不安を増幅させ、下痢や便秘が悪化するという悪循環を形成します。

診断方法
器質的な異常がないことを確認する必要がありますので、腸の諸検査をして確認します。
便検査、血液検査、レントゲン、内視鏡検査を行います。その上で、症状と精神的な要因の関与があるかを判断して診断します。

治療
治療の基本は、この病気が精神的なストレスや生活の乱れによって引き起こされていることが多いため、これらの要因を解消しないと症状は改善しません。

1) 精神的な要因:薬物療法として、抗不安剤、抗うつ剤を投与、心療内科を受診して専門的な治療をお願いすることもあります。
2) 生活習慣が原因:暴飲暴食、アルコールの多量摂取を避け、食生活や生活習慣の改善を行う。

薬物療法
1)下痢や便秘に対して、整腸剤や下剤を服用
2)消化管の運動機能を改善させる薬(トランコロン、セレキノンなど)
3)便の水分バランスを調整する薬(ポリフル、コロネル)
4)漢方薬(桂枝加芍薬湯など)

受診する科は?
まず消化器内科を受診してください。器質的な疾患を除外します。
過敏性腸症候群と診断されたら、消化器科でも治療を受けることができますが、精神的な要因が強く関与しているケースでは治療が難しく、心療内科で心理療法や、向精神薬治療を専門的に受けたほうがいいでしょう。

田中クリニックでの診療
クリニックでは、大腸の検査は便検査しかできません。消化器科へ紹介をしております。
診断がつきましたら、薬物治療を中心に行っております。漢方薬による治療も行っておりますのでご相談ください。

最後に...

ストレスは体のいろいろな所に症状を起こします。便秘も下痢も慢性
になれば辛いものです。
リラックスして上手に付き合うことから治療は始ります。時間はかか
るかもしれませんが、症状は改善しますし治りうる病気ですので、
心配な方は受診しましょう。